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  • 政府の賃上げ要請に思うこと
  • 政府の賃上げ要請に思うこと


     
    政府が賃上げした会社に税金を優遇する
     
    措置を考えたらしいです。
     
    法人税から差し引く控除率を
     
    中小企業では最高40%(現行では15%)
     
    に引き上げます。
     
     
    私は、半年前くらいに
     
    「安いニッポン:価格が示す停滞」
     
    という本をみて、衝撃を受けました。
     
    「デフレをいつまで続けるの」と。
     
    「給料安い」
      ↓
    買い物時
    「(スーパー)高いものは売れない」
    「(消費者)もっと安いものを」
      ↓
    「(暮らせるから)給料安い」

     
     
    先進国の中で賃上げしていないのは日本だけ
     
    ということで日本はそんなに儲けてないのか
     
    といえばそんなこともない。
     

    賃上げが行われなかった原因

     

    1.賃上げを主導する労働組合が弱体化

     
      バブル期までは右肩上がりの日本 
     
     「賃上げするべき」「妥結しなければストライキする」などの
     
      運動をしていた労働組合。
     
      バブル崩壊後は、円高、デフレに苦しむ会社に遠慮して
     
      その勢いは弱まりました。
     
      一方逆に、企業は内部留保が積み重なりました。
     
      不思議とその動きが一致しています。
     

    2.ベースアップを言いだせない個人の労働者

     
      代わって、団体では賃上げを要求できなくなった
     
      個人は一人で会社役員と交渉しなければいけなくなりました。
     
      そこで増えてきたのがバブル崩壊後劇的に増えてきた
     
      個別労働紛争ということになりそうです。
     
     (労基署に訴える、労働裁判)
     
      ベースアップを要求するけれども、役員から疎ましがられ、
     
      転職先がない、あったとしても給料が下がるだろう
     
      ということで悩んでる姿が目に浮かびます。
     

    3 雇用の流動化が進んでいない

     
      現在今の給料よりいい給料を求めてステップアップの
     
      就職がほとんどありません。
     
      転職後給料が悪くなるだろうから今の会社にいよう
     
      というマイナスモチベーションで働いている人が多くいます。
     
      給料も現状維持で我慢している人が多いと思われます。
     
      それが賃金が上がっていない原因の一つではないかと思います。
     

    4.最低賃金や残業規制など、政府の施策の問題

     
      最低賃金の上げ幅を配慮だとか、労働各種法規もゆるい規定が
     
      多いと感じます。
     
     政府が終身雇用推奨のように雇用の維持をうたってる限り
     
     (もっと言えば、解雇は悪。横領や傷害などの
     
      危険人物でないかぎりずっと雇ってあげて的な考え)
     
      欧米の転職社会になっていきません。
     
     
    キャリアコンサルティングで、転職を勧めることが私の
     
    学んだときはだめとされていました。
     
    なぜって?
     
    「家族もいるのに、給料下がって無謀」
     
    というくだらない理由みたいですよ。
     
    まあ、転職する前に今の会社でいろいろやってみなあかんことは
     
    あるだろという前提もありますが。
     
     

    幸せな転職という「当たり前」

     
    幸せな転職もあると思います。
     
    環境を変えたことにより、新たな刺激を受けたり
     
    転職のため新しいことを勉強したり
     
    おかしな社風から、まともな社風になったから
     
    馴染めたなど、転職のメリットもある
     
    でも今は、転職のイメージが悪い。
     
    辛抱が足りないとか、なじめなかった
     
    とか、マイナス理由で人から見られかねない。

     
    「エジソンは幼いころから好奇心が強い性格で
    教室で質問ばかりして先生から馬鹿扱いされてしまっていました。
    エジソン母は学校に乗り込んでノーを突きつけ家庭内で教育した」
     
    この話のように合わないことに
     
    「ノー」を言わなかったら
     
    我慢し続けていたら
     
    エジソンが誕生しなかったのだなと思う。
     
     
    あとは、ステップアップの労働市場が
     
    整うのを待ちたい。

       

    2021年12月13日

    主な業務内容

    助成金申請代行・就業規則等各種規定の作成、見直し・労務トラブル相談解決・行政機関の調査対応・労働保険、社会保険手続代行・給与計算代行

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