パワハラの責任を問われた会社。
どんなペナルティを負ったのでしょうか。
新聞で書かれる、ネットに流され公表されることでもかなりの
イメージダウンは免れないでしょう。
前回の例
事例1
2017年10月
トヨタでは車両設計をしていた男性(当時28)が自殺した。
上司から「死んだほうがいい」という暴言を浴びせられていた。
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遺族は19年3月に労災申請。当初トヨタは因果関係を否定したが
労災が認定されると会社の責任を認め21年4月に和解した。
豊田社長は19年に報道で問題を知った直後に遺族を訪問。
再発防止策の策定を約束した。
豊田社長が主導し、20年7月には約1万人の基幹・幹部職を
対象に部下や同僚からも人事評価を受ける
360度評価と呼ぶ制度を導入した。
2021年4月7日には改めて再発防止策を発表。
相談窓口の再編や求職者の職場復帰のプロセス見直しなどを
盛り込んだ。
就業規則にこれまでに記載のなかったパワハラ禁止を盛り込み
懲罰も規定した。
事例3
2016年
ゴンチャロフ製菓の社員(当時20)が長時間労働や上司の叱責を受けて
自殺。チョコレートで多量の廃棄が出た時「牛の餌をつくっとるんか」と
怒鳴られる。
当該社員は15年9~12月には一か月で残業が最大100時間を
超えていてうつ病を発症して16年6月に自殺。
18年に労災認定された。
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示談は2021年6月11日に成立しており社長が遺族に謝罪し、
上司が懲戒処分を受けたほか、長時間労働の縮減やハラスメント防止の
再発防止策を徹底するとしている。
一人の親として個人的に言うと、死なせるために会社に労働力を提供しているのではない。
会社のやったことが酷いので、聞かされる方も「そこまでやるか」と気分が悪くなる。
会社に骨をうずめろというのは、会社の勝手な倫理であり、人権まで無視して追い込んで
働かせるというのは戦時中のお国のために死んでくださいと価値観は何ら変わらない。
今日はあえて毒を吐きたい。
パワハラ加害者を懲戒しましょうというと、口ごもる経営者が多い。
パワハラ加害者は社内で強者のポジションで会社にとって重宝されていることが
よくあることなのだ。
社長もパワハラを見て見ぬふりということは、共犯ということだ。
こういう会社は、社会的に制裁されるまで気づいていないのだから、
このような義務規定がもっとはやくできるべきだったと思っている。